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番長FUKUDA氏トミンBコース

トミンのSP12クラス、全コース(旧B/新B/A)レコードホルダーの番長ライディング。

1年越しで念願かなって撮影出来た。
丁度1年前の正月トミン走行で出会って以来、何度も飲みには行ったが、ライディングを観察する機会は無かった。

上半身の前後・左右・上下の動きが、もうまさに自分の理想像だった。ブレーキング・進入・最小旋回・立ち上がり・切り返し・・・そうだそうだそうだ!って感じ。ライディングフォームがどうとかよりも、その動きと動かすタイミング。
トミン旧Bコース、左ヘアピンの進入から立ち上がりまでを撮影したので、何に「そうだそうだ!」と熱くなってしまうのか、思うがままに書いていこう。

ライディングスタイルは人それぞれ。特に上半身は動かせる自由度が大きいから、色々なライディングフォームが成り立つ。
野球のピッチャーなら、速球の効率の良いオーバーハンドで投げ込む投手もいれば、癖球を武器にサイドスローで勝負する投手もいる。でも一人の投手は、ストレートもカーブも極力、同じフォームから投じなければならない。仮にカーブが良く切れるフォームがあったとしても、見抜かれては意味が無い。
バイクは違う。もしコーナーの前半と後半で効率が良いフォームが異なるのなら動けばいい。高速コーナー、低速コーナー、浅いコーナー、深く曲がり込むコーナー、ハードブレーキングから切り込むコーナー、全開のまま飛び込むコーナー、Rが複合するコーナー、切り返しが迫るコーナー・・・もしそれぞれに攻めやすいフォームが違うなら、変えればいい。同じなら同じでいい。

自分のライディングを撮ってもらった写真を見れば、およそ、どんなタイプのコーナーの、どこら辺なのか想像がつく。ドアップで景色からは判断できない写真でも。驚いた事に、ここにとりあげる番長は、自分が見ても自分以上に解かりやすいかもしれない。
動きがよりダイナミックだからだ。

フォームを使い分けるべき要素はたくさんある。旋回性を高めるフォーム、タイヤが滑りにくいフォーム。滑りやすくてもスライドを支配しやすいフォーム。トラクションを敏感に感じやすいフォーム。ライン取りを早く正確に読むフォーム。走行抵抗の少ないフォーム。力まずステアリングをフリーに保ちやすいフォーム・・・

本人が何を意識してるかを一切無視して、番長の体の使い方を勝手に解析するのも面白い。まったくもって自分のかたよった見方なので、あしからず。

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↑① バックストレートから左ヘアピンへアプローチするブレーキング
ストレートエンドでブレーキングの直前に、伏せたまま尻を左にずらしておき、ブレーキングと同時に上体を切れ良く起こす。だいぶ前に書いた、ピッチングモーメント軽減のブレーキング動作を、完璧なタイミングで決めてる。番長の特徴は、肘の曲がりに余裕をもたせている事。腕が伸び気味の方が減速Gに楽に耐えられるが、完全に伸び切ってしまったら、振られた時などにステアリングを操作したり振れを吸収する余裕が無くなってしまう。

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↑② カットイン(寝かし込み)
リーンアウトでの倒し込みは、人よりバイクが先に深くバンクしていくので、より早く初期旋回が始まる。ハードブレーキングからの進入程、上半身を内側に預けてしまわない方がいい。まだこの辺りでは、ストレートを高速で走り抜けてきて、バイクは真っ直ぐに行きたがる慣性が残っているので、バンク角ほど旋回はしていないし、ブレーキを引きずっているはずで、減速Gが強くかかってる。遠心力が十分かかっていない状態で重心をイン側にオフセットし過ぎると、イン側に預けた体の重心が旋回と反対方向にバイクを押し出して、旋回の邪魔をする。もし右の前輪しかブレーキの効かない4輪車でブレーキングしたら、重心のあるセンターがスピードを維持したがり、右は止まりたがるから、車体は右へ旋回したがる。減速Gの強くかかっている時に、ライダーだけインに飛び込んで重心を旋回側にずらしてしまったら、同じ状況になる。

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↑③ ブレーキリリースからフルバンク
自分の場合、ここに最も気を遣う。ブレーキをリリースしました→アクセルを開け始めましたのメリハリが有り過ぎると、ギクシャクした挙動を与えてしまい、グリップを失いがち。減速区間の前輪に強く負荷のかかった状態から、スムーズに加速の後輪に強く負荷のかかった状態に移行したい。・・・が、番長はここで半クラをあてながらカパッとアクセルを開けるwobbly・・・俺には真似できない芸当だsign03 ミニバイクのエキスパートライダーに多い技だが、それにしてもポイントが極端に早い。クリッピングポイントの遥か手前。。

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↑④ 最小旋回からクリッピング
最大バンク角になっているのは、この若干手前のポイントだと思うが、ここで旋回力をかせぐ為にはしっかりとライダーの重心をインにオフセットした方がいい。やりすぎると滑った時にライダーからバイクが離れる方に逃げるので、スライドコントロールしずらくなってしまうから注意。

余談だが、モタードやオートレースが極端なリーンアウトスタイルなのは、スライドで向きを変えるのが前提で、リーンアウトはスライドするとバイクがライダーの懐に近づく事で、勝手に荷重をかけられるスタイルだから。極端な言い方をすれば、ある程度オートマチックにスライドコントロールをしてくれるライディングフォームと言える。MOTO GP以前の500cc時代は、軽量・大馬力・かつ電子制御が殆ど無いパワースライドしまくるレースシーンの時期で、ダートトラックで腕を磨いたリーンアウトスタイルのライダーが多く活躍していたのもうなずける。個人的には、ノリックがもう数年早く現れていたら、どれほどマシンとの相性良く、更なる大活躍をしていた事だろうと思う。オートレーサーの父を持ち、ミニバイクからロードにステップアップする前に、アメリカでダートラ&モトクロスの修行を積んだ経歴の持ち主だが、皮肉にも、世界グランプリのキャリアを重ねる程に、レギュレーションとマシンの進化の方向性は、ノリックスタイルのアドバンテージを奪っていったと思う。

一方で、どんなクラス・マシンでも適応するロッシは、やはり別格なのだろう。彼の優れているのはライディングのみならず、優れたスタッフを味方につけ、本気にさせてしまう人間性にも有る。ロッシをホンダからヤマハに引き込んだヤマハ本社の某お偉いさんもロッシの人格に魅了されて、惜しみない支援をした一人だ。お偉いさんと言ってもバリバリ技術畑育ちのエンジニアで、ロッシと無類の信頼関係を築いていた。以前、飲んだ席で、こんな所では書けない裏話を沢山話してくれた。今期はロッシがドカティーに移籍してしまい色々あっただろうが、きっと今も相思相愛だろう。
脱線、脱線sweat01

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↑⑤ 加速&コーナー脱出
番長の場合、アクセルはとっくに全開だが、クラッチもつながってフル加速の状態。シンプルなコーナーだったらこの位置で、番長の番長たる独特のライディングフォームが披露されるポイントだろう。
パーツショップALPHIN/森親分のブログ・このページの上から4枚目の写真。
クリッピング直前のフルバンク・最小半径で旋回する区間は、タイヤのグリップ力の極力100%を、遠心力に対抗するする力に使いたい。クリッピング以降の加速区間はより加速のトラクションにグリップ力を割り当てていく事になるから、マシンを若干起こす。図でも描かないとシンプルに言葉で表現できないので、またどこかで解説してみたいが、タイヤのサイドエッジ部分は遠心力に対しての有効なグリップを発揮するが、走行抵抗が大きく、加速トラクションに対してのグリップをより発揮するのは、タイヤのエッジよりセンター寄りを使った方が強い。走り込んだエキスパートライダーなら理屈はどうあれ、体でその感覚が叩き込まれているので、自然に頭を低くインに入れてマシンを起こし加速トラクションを稼ぐ。森親分のページに掲載された番長の写真は、その極限のライディングフォーム。そこまでするんだ~って感じの独特のフォームだが、このヘアピンでそれをしてたら直後に控える切り返しでロスになる。

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↑⑥ 立ち上がり
直後の切り返しを見据えた先行動作。
通常の立ち上がりなら、リアのグリップとアウトの残りコース幅に意識を集中して、前傾のリーンインからスムーズに伏せ姿勢に移行していけばいい。しかしここは直後に切り返しての右ヘアピンが控え、走行抵抗の少ない自然な立ち上がりではアウトに膨らみ過ぎてしまう。まず上半身から、切り返す右へ体を起こしておく。バイクはまだ左へ曲がってなさいと寝せておいて、直後の切り返しへのタメを作っておく体勢。このタメの動作が、切れの良い切り返しと、より有利な切り返し後の進入ラインにつながる。
バイクと人が一塊になって動くより、人が先行段取りしておいて、バイクの重さ分だけをスパッと動かしてやるようなイメージ。

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↑⑦ 切り返し初期
前段階でためておいたバイクの起き上がりたがる力を放出。意識して無くても切り返しはステアリングをこじるので、フロントに瞬間的な強い負荷がかかる。ブレーキングしながらの切り返しは別だが、ここのような全開のままの切り返しは、フロントがはじかれないように、しっかり前荷重をかける。フロント荷重でより軽くなった下半身が、素早いマシンの動きにも対応できる。

また余談だが、反復横跳びはバイクの切り返しの練習になる。
学校のスポーツテストでやるような大きい振幅ではなく、片側70~80cmぐらいのコンパクトな反復横跳び。だまされたと思ってやってみて欲しい。上半身と下半身が一本の棒になってる様な動きではとろくさい動きしか出来ない。頭の高さを保つ様にして上半身が下半身を先行する振り子になる様な動作に自然になってくるハズ。何を隠そう、自分自身、現役時代、いらないチャリンコのハンドルを持ってきて、部屋でバイクの切り返しをイメージしながらそのハンドルを持っての反復横跳びトレーニングをしていた。

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↑⑧ 右ヘアピン進入
ここは手前の左ヘアピンと違って、強い減速を伴わない進入なので、上半身から飛び込んで旋回性を上げる事ができる。上記の②③の進入体勢とは別人の様に違う。NSR50だと、もしかしてノンブレーキかな??

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↑⑨ 全開から浅い右コーナーへのアプローチ
右ヘアピン後の高速右は、ノンブレーキどころか全開で飛び込むから、こここそ上半身から突っ込みたい所だが、そう単純でもない。突っ込んだ直後に切り返しながらのブレーキングが控えているから、初期旋回でスパッと向きを変えておきたい。

ここから先は写真を撮ってないので、勝手な解説はここまで。また機会があったら別のポイントでも観察してみたい。


長~い記事になってしまいましたが、ホントにこの番長ライディングを目の当たりにした時は鳥肌もんでした。俺が意識してトライしてる体の動かせ方を全て、スムーズかつ大きな動きで実現してる。ライディングスタイルは十人十色で、何が正解なんて決め付けると、その人に合った良さをスポイルしてしまうかもしれない。だからこんな考え方も有るんだって程度に読んで頂ければ幸い。是非、自分のライディングの中で、意味をもって体を動かして、自分オリジナルの正解を見つけて欲しいと願います。
 

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↑愛娘を連れてふらりと立ち寄ったランニングマンと談笑


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2010/11/7 番長、コースレコード更新! 
2011/11/11 もてぎショートコース選手権第4戦 耐久
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コメント

そうそう番長のライディングは理に敵ってるんですよね。上半身、特に腕の使い方が上手いんだよなあ・・・見習う所が多々有ります。まあ~到底真似は出来ませんけどね(笑)

投稿: ALPHIN森 | 2011年1月12日 (水) 17:49

そうなんですよ!
勢いにまかせて攻めまくってんのかと思った。
あの性格なんで…
番長の写真は森さん/飛鳥さんブログで沢山見てきましたが、目の前で動きを観察すると「ナルホド」が一杯!
カメラのファインダー越しに見てるのがもどかしいぐらい。

ところで森さん、走りましょうよ!

投稿: YOHNS | 2011年1月12日 (水) 21:42

トークと走りは違うって事ですね(爆)

僕、寒いの嫌いなんでやっぱり3月まで冬眠してると思います・・・(^^;

投稿: ALPHIN森 | 2011年1月13日 (木) 11:05

ぼくのハイエースかっこいいeye

投稿: ひらっち | 2011年1月13日 (木) 11:12

> ALPHIN森さん
晴れてれば全然、寒くないですよ!
でも、夜の整備はツライです。

> ひらっち
ハイエースもかっこいけど、なにげにベビーカーが超かっこいい!!

投稿: YOHNS | 2011年1月13日 (木) 13:03

ベビーカー?

呼んだけ?

投稿: ランニングメーン | 2011年1月13日 (木) 15:05

先日、拝見しましたが。。。


凄げぇぇ・・・!(◎_◎;)
の一言です。

投稿: デカチョ〜 | 2011年1月13日 (木) 20:30

お疲れ様ですpaper

陽さん、camera感謝ですm(__)m
やはり、陽さん、自分のコーナー進入時のホームは似てる様な気がしてましたが、森親分のブログ内の陽さんのAコース画像を改めて見ると、やっぱし二人共突っ込み野郎だとひらっちさんが言ってた事間違いなさそうですなcatface

っていうか、今だから言いますけど、昔、新東京のSP12EXP走ってた陽さんの走り見てパクッタのは事実だすから、似ててもおかしくないんすねsmile

お〜いマラソンマン、君のブログに愛娘、自分の走り終えたcameraが載ってたけど、あれはGoodgoodだよ。

投稿: 番長 | 2011年1月13日 (木) 21:59

> ランニングメーン
そのチョイワル・ベビーカーのキラキラホイールはカスタムっすかsign02

> デカチョ〜さん
凄いですね。番長DVD作って研究したいぐらいです。
その番長をおびやかすタイムで走るランニングメーンとヒラッチもいかに凄いかって事だよね。

> 番長
突っ込み野郎を極めましょう!
乱暴に言っちゃえば、コーナリングは進入で良し悪しが決まる!
進入でいい体勢を作れれば、立ち上がりはグリップと相談しながら開けるだけでしょ…と思ってましたが…TZR125で復帰してから、その立ち上がりをブリブリ攻めきれて無いのが悩みです。

新東京、あの神々の巣で、何故に表彰台にかすりもしなかった俺をパクリますかね~?
あの時代の新東京卒業生の世界グランプリ勝利総数は、とんでもない数字になるだろうね!

投稿: YOHNS | 2011年1月14日 (金) 01:14

陽さんのTZRのリアサスって、ノーマルですか?

もし、リアサス変えれば、まだまだタイムUP出来るんじゃないっすかね。

125位の排気量になってくるとパワーコントロール難しくなってくるでしょうから、チャンバーもピーキーでない物使いトラクション感じ易い仕様、リアサスコラボにすれば、後コンマ3位タイムUP可能じゃないっすか。

投稿: 番長 | 2011年1月14日 (金) 12:50

リアサス、ノーマルです。
これがかなりイイんですよ!ノーマルのくせに。

社外でまともなリアサスがTZR125用で出て無いんで、NITRONさんで作ってもらおうとしてたんですが、現車確認用の試作品がまったく合ってなくて…ガッカリ…そのまま挫折中…
いいサスを知っちゃったら、ノーマル使ってられなくなるんでしょうね~

今のままでもあとコンマ5は縮まります!
番長が乗れば。。

投稿: YOHNS | 2011年1月14日 (金) 20:25

大井川ですがね(^.^)b 楽しみでしょう。

投稿: G | 2011年1月20日 (木) 20:19

>Gさん
意味不明なんですがね?
新手の荒らしかな!?

それとも、宇川選手を宇田川さんと言ったGさんかなdespair

投稿: ひらっち | 2011年1月22日 (土) 17:27

GさんってSGさん?
意味不明のため、削除していいものかどうか…
大井川??

明日のファン感謝デーのトミン、楽しそうですねhappy01

投稿: YOHNS | 2011年1月22日 (土) 19:17

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